10月26日の日記

      住み慣れた我が家で、最期まで生きることを応援して!

     (最期のお顔は生きている時よりも、綺麗で穏やかな表情だった3人)

 

    今月は、看取り看護を3名実施した。

    一人目は寝たきりで、会話もできず、経管栄養チューブで栄養剤を滴下、

    在宅酸素、バルーンカテーテルが挿入されている利用者様。

    サービス付有料老人ホームに入居されている。

    施設入居者の場合は施設職員が第2の家族となるため、施設職員の

    利用者様に対する思いをくみ取りながら丁寧に看取り看護をすすめていく

    必要がある。経管栄養で自然な形の看取りをしたらよいか考えながら看護を

    実施していった。1日のカロリーは250.水分は200ml、この状態で

    3か月小康状態が経過した。この利用者様の最期のお顔は生きている時よりも

    綺麗で、メガネがとても似合っていた。

 

    二人目は最期まで、私の会社と私を応援し続けてくださった利用者様。

    1日指で針を刺して,4回、血糖チェック。1日4回、腹部にインシュリン

    注射を自分で打っていた85歳の女性。

    最後は、私に気遣い、辛い状態なのに、「関根さん、血圧が140だから、

    血糖も落ち着いているから大丈夫だから、訪問に来なくても大丈夫だから!」

    とわざわざ私に電話してきた利用者様、1泊2日の入院ですぐお亡くなりに

    なった。

    仕事を中にお亡くなりになった時の、涙が出て仕方なかった。自分の感情が

    普通でなく、何とも言えない気持ちが襲ってきた。夕方、この利用者様の家に

    お亡くなりになった利用者様のお顔を見るため訪問した。お顔を見た時に思っ

    た。

    「あ、微笑んでいる、なんていいお顔!、これはやられた。」と思った。

    「これでいいんだよ!ありがとう!」と言いそうなお顔だった。

    私はこの穏やかな表情をみたら、安心した。

    心の中で「ありがとうございました。見事な人生でしたね。」と。

 

    3人目の利用者様は繊細で優しい、他の人に気遣いができる素敵な男性。

    がん末期の状態だった。優しいから、わがままも言えず、自分で苦しんで

    いた。その利用者様は若い奥様の献身的な介護で、住み慣れた我が家で、

    絶縁だった息子さん、別れた元奥様、小さい時から可愛がっていた娘さんに

    全員遠方にもかかわらず、生前、会うことができてた。

    3回目の若い奥様の損得のない、優しい人柄で大変な状態でも、真心のおも

    てなしをして、疲れ、介護不眠を乗り越え、悔いのない看取り介護を見事に

    乗り越えることができた。

     お亡くなりになった時の利用者様は生前、愛用していた素敵なスーツを

    着て、立派な姿になった。穏やかで精一杯人生を全うした表情だった。

    私は人生の飛行機の着陸がゆっくり、丁寧にできたのではないかと思った。

 

    今月3名の看取り看護を通して、また、沢山のことを学ばせていただいた。

    看取りは訪問看護のやりがいを感じる。

    まだまだ、勉強していく必要があるため、体を休めながら、訪問看護

    スタッフとチームですすめていきたい。

    地域の方々のために、住みよいまちづくりを目指して!

 

                             関根京子