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10月5日の日記
最期の望みを叶える看護を実施!
私の次男(理学療法士)がお世話になった、剣道の指導者Aさんの訪問を
している。
Aさんは穏やかな表情で、苦しいながらも、
一番、心配だった長男さんが介護をしてくれていることが、嬉しくて
仕方がないようである。「嬉しいよ。ありがたい。」といつも話している。
Aさんは、次男に「いつか、また、剣道クラブに行きたいなあ。みんなに
会いたい」と、話していた。
腹水もたまり、下肢筋力低下から転倒を何回も繰り返しているため、歩行は
やや困難な状態である。つかまりながら歩行がやっとの状態であるが、
10月2日に Aさんは、次男の車で、手引き歩行で剣道クラブに行くこと
ができた。私もAさんの様子が心配だったため、剣道クラブに行き様子を見
に行った。
Aさんは、剣道クラブの生徒の方々の稽古を見学し、
「声を出すんだよ。」「大丈夫か?」と、優しいまなざしで一人一人に
声をかけっていた。椅子に座っていたAさんは「稽古したくなったよ。」と
話、お尻が痛いような仕草をした。私と次男はAさんの体力が心配だった。
Aさんは、剣道クラブの見学を終え、自宅へ次男の車で送り届けた。
私は、次男さんに「お父さんは、みんなに会うことができたので、
嬉しそうで、とっても良いお顔をしていました。」と、声をかけると
次男さんは涙を浮かべていた。
今回、Aさんの様子を見て、人は最期の時に自分の望みが叶うと
心から感謝している表情と、気力で体が不思議と動くことができるのでは
ないかと思った。
剣道の稽古を見学して思った。
人は、何かに真剣に取り組んでいる姿ほど、
美しい姿はないと、実感した。
関根京子